2024-08-30から1日間の記事一覧
【源氏物語249 賢木61】源氏に属している官吏も 除目《じもく》の結果を見れば不幸であった。 不面目な気がして源氏は家にばかり引きこもっていた。 〜源氏もこの宮のお心持ちを知っていて、 ごもっともであると感じていた。 一方では家司《けいし》として …
【源氏物語362 第13帖 明石24】源氏は宮中での音楽の催しのことを思い出していた。愁《うれ》いを感じながら弾く音楽は凄いものであった 〜源氏自身も心に、 おりおりの宮中の音楽の催し、 その時のだれの琴、だれの笛、 歌手を勤めた人の歌いぶり、 いろい…
【源氏物語243 第十帖 賢木55】人生が悲しく思われて 出家の気持ちが起こるが、東宮のお力になれぬことになってはならないと源氏は思う。 〜二条の院へ帰っても西の対へは行かずに、 自身の居間のほうに 一人臥《ぶ》しをしたが眠りうるわけもない。 ますま…
【源氏物語238 第十帖 賢木50】中宮の御八講は崇厳な仏事出会った。初めの日は父帝、次の日は母后 三日目は院の御菩提のためであって、数多くの高官が出席した。 〜十二月の十幾日に中宮の御八講があった。 非常に崇厳《すうごん》な仏事であった。 五日の間…
【源氏物語233 第十帖 賢木45】頭の弁が「白虹 日を貫けり、太子おぢたり」と漢書の太子丹が刺客を秦王に放った時、その天象を見て不成功を恐れたという章句をあてつけに口ずさんだ。 〜源氏は東宮の御勉学などのことについて奏上をしたのちに 退出して行く…
【源氏物語229 第十帖 賢木41】紫の上は一段と美しくなっている。源氏は山から折って帰った紅葉を御所においでの中宮に贈った。 〜夫人は幾日かのうちに一段ときれいになったように思われた。 高雅に落ち着いている中に、 源氏の愛を不安がる様子の見えるの…
【源氏物語226 第十帖 賢木38】源氏は、朝顔の斎院に手紙を送った。お返事の手紙の字は斎院のお字には細かな味わいはないが、高雅で漢字のくずし方など巧みである。 〜斎院のいられる加茂はここに近い所であったから 手紙を送った。 女房の中将あてのには、 …
【源氏物語221 第十帖 賢木33】藤壺の宮は、目立たぬよう御所にお入りになる。東宮は母君にお会いになり喜び甘えておいでになった。 漢の初期の戚《せき》夫人が 呂后《りょこう》に 苛《さいな》まれたようなことまではなくても、 必ず世間の嘲笑を負わねば…
【源氏物語216 第十帖 賢木28】源氏は静かに宮の御帳台へ伝っていき 宮のお召し物のつま先を手でひいた。宮は源氏の君だとお悟りになった。 〜これだけでも召し上がるようにと思って、 女房たちが持って来たお菓子の台がある、 そのほかにも 箱の蓋などに感…
【源氏物語212 第十帖 賢木24】尚侍との逢瀬‥暁月夜、一面の霧の中歩いている姿を承香殿の女御の兄に目撃されてしまった源氏 〜心から かたがた袖《そで》を 濡《ぬ》らすかな 明くと教ふる 声につけても 尚侍のこう言う様子はいかにもはかなそうであった。 …