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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【10分で聴く源氏物語 第18帖 松風4】源氏は姫君を二条院に引き取ることを考える。引き放される明石の心が哀れに思われ涙ぐみ姫君の顔を見ていた。尼君は、生母の身分がさわりにならぬかと心配する by😿

🍁【源氏物語595 第18帖 松風19】桂の院から明石の上の邸に来た源氏は、庭の手入れをさせる。打ち解けた様子の源氏はいっそう美しい。尼君は老いも憂いも忘れ微笑んでいた。

〜なお修繕を加える必要のある所を、

源氏はもとの預かり人や新たに任命した家職の者に命じていた。

源氏が桂の院へ来るという報《しら》せがあったために、

この近くの領地の人たちの集まって来たのは

皆そこから明石の家のほうへ来た。

そうした人たちに庭の植え込みの草木を直させたりなどした。

「流れの中にあった立石《たていし》が皆倒れて、

 ほかの石といっしょに紛れてしまったらしいが、

 そんな物を復旧させたり、

 よく直させたりすればずいぶんおもしろくなる庭だと思われるが、

 しかしそれは骨を折るだけかえってあとでいけないことになる。

 そこに永久いるものでもないから、

 いつか立って行ってしまう時に心が残って、

 どんなに私は苦しかったろう、帰る時に」

源氏はまた昔を言い出して、

泣きもし、笑いもして語るのであった。

こうした打ち解けた様子の見える時に

源氏はいっそう美しいのであった。

のぞいて見ていた尼君は老いも忘れ、

物思いも跡かたなくなってしまう気がして

微笑《ほほえ》んでいた。

 

🍁【源氏物語596 第18帖 松風20】源氏は袿《うちぎ》を引き掛けたくつろぎ姿で いた。尼君がおられるのに気付き直衣を取り寄せて着替えた。

〜東の渡殿《わたどの》の下をくぐって来る流れの筋を

仕変えたりする指図《さしず》に、

源氏は袿《うちぎ》を引き掛けたくつろぎ姿でいるのが

また尼君にはうれしいのであった。

仏の閼伽《あか》の具などが縁に置かれてあるのを見て、

源氏はその中が尼君の部屋であることに気がついた。

「尼君はこちらにおいでになりますか。

   だらしのない姿をしています」

と言って、

源氏は直衣《のうし》を取り寄せて着かえた。

几帳《きちょう》の前にすわって、

「子供がよい子に育ちましたのは、

   あなたの祈りを仏様がいれてくだすったせいだろうと

   ありがたく思います。

   俗をお離れになった清い御生活から、

   私たちのためにまた世の中へ帰って来てくだすったことを

   感謝しています。

   明石ではまた一人でお残りになって、

   どんなにこちらのことを想像して

   心配していてくださるだろうと済まなく私は思っています」

となつかしいふうに話した。

 

🍁【源氏物語597 第18帖 松風21】「荒磯かげに心苦しく存じました二葉の松も いよいよ頼もしい未来が思われます日に到達いたしましたが‥」と言うものの、生母の身分がさわりにならぬかと心配する尼君

〜「一度捨てました世の中へ帰ってまいって

 苦しんでおります心も、お察しくださいましたので、

 命の長さもうれしく存ぜられます」

尼君は泣きながらまた、

荒磯《あらいそ》かげに心苦しく存じました二葉《ふたば》の松

 いよいよ頼もしい未来が思われます日に到達いたしましたが、

 御生母がわれわれ風情の娘でございますことが、

 御幸福の障《さわ》りにならぬかと苦労にしております」

などという様子に品のよさの見える婦人であったから、

源氏はこの山荘の昔の主《あるじ》の親王のことなどを

話題にして語った。

直された流れの水はこの話に言葉を入れたいように、

前よりも高い音を立てていた。

住み馴《な》れし 人はかへりてたどれども

清水《しみづ》ぞ宿の主人《あるじ》がほなる

歌であるともなくこう言う様子に、

源氏は風雅を解する老女であると思った。

 

「いさらゐは はやくのことも 忘れじを

 もとの主人《あるじ》や面《おも》変はりせる

 悲しいものですね」

と歎息《たんそく》して立って行く源氏の美しいとりなしにも

尼君は打たれて茫《ぼう》となっていた。

 

🍁【源氏物語598 第18帖 松風 22】源氏は山荘に来た。明石の上は、別離の夜の形見の琴を差し出した。源氏は琴を弾き始めた。まだ絃《いと》の音《ね》が変わっていなかった。

〜源氏は御堂《みどう》へ行って

毎月十四、五日と三十日に行なう普賢講《ふげんこう》、

阿弥陀《あみだ》,

釈迦《しゃか》の念仏の三昧《さんまい》のほかにも

日を決めてする法会《ほうえ》のことを

僧たちに命じたりした。

堂の装飾や仏具の製作などのことも御堂の人々へ指図してから、

月明の路《みち》を川沿いの山荘へ帰って来た。

 

明石の別離の夜のことが源氏の胸によみがえって

感傷的な気分になっている時に

女はその夜の形見の琴を差し出した。

弾《ひ》きたい欲求もあって源氏は琴を弾き始めた。

まだ絃《いと》の音《ね》が変わっていなかった。

その夜が今であるようにも思われる。

  契りしに 変はらぬ琴の しらべにて

  絶えぬ心の ほどは知りきや

と言うと、女が、

  変はらじと 契りしことを 頼みにて

  松の響に 音《ね》を添へしかな

と言う。

こんなことが不つりあいに見えないのは

女からいえば過分なことであった。

明石時代よりも女の美に光彩が加わっていた。

源氏は永久に離れがたい人になったと明石を思っている。

 

🍁【源氏物語599 第18帖 松風23】源氏は姫君を二条院に引き取ることを考えるが、引き放される明石の心が哀れに思われて ただ涙ぐんで 姫君の顔を見ていた。

〜姫君の顔からもまた目は離せなかった。

日蔭《ひかげ》の子として成長していくのが、

堪えられないほど源氏はかわいそうで、

これを二条の院へ引き取って

できる限りにかしずいてやることにすれば、

成長後の肩身の狭さも救われることになるであろうとは

源氏の心に思われることであったが、

また引き放される明石の心が哀れに思われて

口へそのことは出ずにただ涙ぐんで姫君の顔を見ていた。

子心にはじめは少し恥ずかしがっていたが、

今はもうよく馴れてきて、

ものを言って、笑ったりもしてみせた。

甘えて近づいて来る顔が

またいっそう美しくてかわいいのである。

源氏に抱かれている姫君は

すでに類のない幸運に恵まれた人と見えた。

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