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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【10分で聴く源氏物語 第10帖 賢木15〈さかき〉】右大臣の力が増し、源氏に属してる官吏の除目の結果は良くなくて、不面目な気がして源氏は家にばかり引きこもっていた。優雅な源氏物語の政争劇‥by 🙀

🌘【源氏物語253 第十帖 賢木65】宴で、源氏自身もよい気持ちになって、「文王の子武王の弟」と史記の周公伝の一節を口にした。

〜それもがと 今朝《けさ》開けたる初花に

劣らぬ君が にほひをぞ見る

と乾杯の辞を述べた。

源氏は微笑をしながら杯を取った。

 

「時ならで 今朝咲く花は 夏の雨に

 萎《しを》れにけらし 匂《にほ》ふほどなく

 すっかり衰えてしまったのに」

あとはもう酔ってしまったふうをして

源氏が飲もうとしない酒を

中将は許すまいとしてしいていた。

席上でできた詩歌の数は多かったが、

こんな時のまじめでない態度の作を

たくさん列《つら》ねておくことの

むだであることを貫之《つらゆき》も

警告しているのであるから

ここには書かないでおく。

 

歌も詩も源氏の君を讃美したものが多かった。

源氏自身もよい気持ちになって、

「文王の子武王の弟」と史記の周公伝の一節を口にした。

その文章の続きは成王の伯父《おじ》というのであるが、

これは源氏が明瞭に言いえないはずである。

兵部卿《ひょうぶきょう》の宮も始

終二条の院へおいでになって、

音楽に趣味を持つ方であったから、

よくいっしょにそんな遊びをされるのであった。

 

🌘【源氏物語254 第十帖 賢木66】病を患い 実家に帰った朧月夜の君のところに、源氏は忍んでいく。大后もいらっしゃるお屋敷‥恐れを知らぬことである。

〜その時分に尚侍《ないしのかみ》が御所から自邸へ退出した。

前から瘧病《わらわやみ》にかかっていたので、

禁厭《まじない》などの宮中でできない療法も

実家で試みようとしてであった。

修法《しゅほう》などもさせて尚侍の病の全快したことで

家族は皆喜んでいた。

こんなころである、

得がたい機会であると恋人たちはしめし合わせて、

無理な方法を講じて毎夜源氏は逢いに行った。

若い盛りのはなやかな容貌《ようぼう》を持った人の

病で少し痩《や》せたあとの顔は非常に美しいものであった。

太后

同じ邸《やしき》に住んでおいでになるころであったから

恐ろしいことなのであるが、

こんなことのあればあるほど

その恋がおもしろくなる源氏は

忍んで行く夜を多く重ねることになったのである。

こんなにまでなっては気がつく人もあったであろうが、

太后に訴えようとはだれもしなかった。

大臣もむろん知らなかった。

 

🌘【源氏物語255 第十帖 賢木67】帰ることもできず、朧月夜の君の部屋にいる源氏。その時、大臣が突然 顔を出した。顔の赤い朧月夜の君を心配する大臣。

〜雨がにわかに大降りになって、

雷鳴が急にはげしく起こってきたある夜明けに、

公子たちや太后付きの役人などが騒いで

あなたこなたと走り歩きもするし、

そのほか平生この時間に出ていない人も

その辺に出ている様子がうかがわれたし、

また女房たちも恐ろしがって帳台の近くへ寄って来ているし、

源氏は帰って行くにも行かれぬことになって、

どうすればよいかと惑った。

 

秘密に携わっている二人ほどの女房が困りきっていた。

雷鳴がやんで、雨が少し小降りになったころに、

大臣が出て来て、最初に太后の御殿のほうへ見舞いに行ったのを、

ちょうどまた雨がさっと音を立てて降り出していたので、

源氏も尚侍も気がつかなかった。

 

 大臣は軽輩がするように

突然座敷の御簾《みす》を上げて顔を出した。

「どうだね、とてもこわい晩だったから、

こちらのことを心配していたが出て来られなかった。

中将や宮の亮《すけ》は来ていたかね」

 などという様子が、早口で大臣らしい落ち着きも何もない。

 

源氏は発見されたくないということに気をつかいながらも、

この大臣を左大臣に比べて思ってみるとおかしくてならなかった。

せめて座敷の中へはいってからものを言えばよかったのである。

 

尚侍は困りながらいざり出て来たが、

顔の赤くなっているのを大臣はまだ病気が

まったく快《よ》くはなっていないのかと見た。

熱があるのであろうと心配したのである。

 

🌘【源氏物語256 第十帖 賢木68】大臣は、朧月夜の君の着物に男の帯がまとわりついているのを見つけた。大臣ななんと恐ろしいことが起きてるのかと驚いた。

〜「なぜあなたはこんな顔色をしているのだろう。

 しつこい物怪《もののけ》だからね。

 修法《しゅほう》をもう少しさせておけばよかった」

こう言っている時に、

淡《うす》お納戸《なんど》色の男の帯が

尚侍の着物にまといついてきているのを大臣は見つけた。

不思議なことであると思っていると、

また男の懐中紙《ふところがみ》にむだ書きのしてあるものが

几帳《きちょう》の前に散らかっているのも目にとまった。

なんという恐ろしいことが起こっているのだろうと大臣は驚いた。

 

「それはだれが書いたものですか、

 変なものじゃないか。

 ください。

 だれの字であるかを私は調べる」

と言われて振り返った尚侍は自身もそれを見つけた。

もう紛らわす術《すべ》はないのである。

返事のできることでもないのである。

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