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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【10分で聴く源氏物語 20帖 朝顔3】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。by🐱

🌺【源氏物語629 第20帖 朝顔11】朝顔の姫君と源氏が似合いの縁であるという世間の噂に 源氏の愛がうつってしまったら自分は惨めであろうと 辛い気持ちになる。

〜初めの態度はどこまでもお続けになる朝顔の女王の

普通の型でない点が、

珍重すべきおもしろいことにも思われてならない源氏であった。

世間はもうその噂《うわさ》をして、

「源氏の大臣は前斎院に御熱心でいられるから、

 女五の宮へ御親切もお尽くしになるのだろう、

 結婚されて似合いの縁というものであろう」

とも言うのが、紫夫人の耳にも伝わって来た。

当座はそんなことがあっても

自分へ源氏は話して聞かせるはずであると思っていたが、

それ以来気をつけて見ると、

源氏の様子はそわそわとして、

何かに心の奪われていることがよくわかるのであった。

こんなにまじめに打ち込んで結婚までを思う恋を、

自分にはただ気紛れですることのように良人《おっと》は言っていた。

同じ女王ではあっても世間から重んぜられていることは

自分と比較にならない人である。

その人に良人の愛が移ってしまったなら自分はみじめであろう、

と夫人は歎《なげ》かれた。

さすがに第一の夫人として源氏の愛をほとんど一身に集めてきた人であったから、

今になって心の満たされない取り扱いを受けることは、

外へ対しても堪えがたいことであると夫人は思うのである。

 

🌺【源氏物語630 第20帖 朝顔12】朝顔の姫君に夢中になって 御所の宿直の夜が多くなり、自宅でも手紙を書いている源氏に、紫の上は 姫君との噂は本当であり、打ち明けてくれてもいいのにと思った。

〜顧みられないというようなことはなくても、

源氏が重んじる妻は他の人で、自分は少女時代から養ってきた、

どんな薄遇をしても

甘んじているはずの妻にすぎないことになるのであろうと、

こんなことを思って夫人は煩悶《はんもん》しているが、

たいしたことでないことは

あまり感情を害しない程度の夫人の恨み言にもなって、

それで源氏の恋愛行為が

牽制《けんせい》されることにもなるのであったが、

今度は夫人の心の底から恨めしく思うことであったから、

何ともその問題に触れようとしない。

外をながめて物思いを絶えずするのが源氏であって、

御所の宿直《とのい》の夜が多くなり、

役のようにして自宅ですることは手紙を書くことであった。

噂に誤りがないらしいと夫人は思って、

少しくらいは打ち明けて話してもよさそうなものであると、

飽き足りなくばかり思った。

 

🌺【源氏物語631 第20帖 朝顔13】源氏は、少し着て柔らかになった小袖になお薫物《たきもの》を多くしたり、化粧に時間を費やしたりして 朝顔の宮のところに訪ねる支度をしている。

〜冬の初めになって今年は神事がいっさい停止されていて寂しい。

つれづれな源氏はまた五の宮を訪ねに行こうとした。

雪もちらちらと降って艶《えん》な夕方に、

少し着て柔らかになった小袖《こそで》に

なお薫物《たきもの》を多くしたり、

化粧に時間を費やしたりして

恋人を訪《と》おうとしている源氏であるから、

それを見ていて気の弱い女性は

どんな心持ちがするであろうと危ぶまれた。

 

🌺【源氏物語632 第20帖 朝顔14】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。

〜さすがに出かけの声をかけに源氏は夫人の所へ来た。

「女五の宮様が御病気でいらっしゃるから

 お見舞いに行って来ます」

 ちょっとすわってこう言う源氏のほうを、

夫人は見ようともせずに姫君の相手をしていたが、

不快な気持ちはよく見えた。

 

「始終このごろは機嫌が悪いではありませんか、

 無理でないかもしれない。

 長くいっしょにいてはあなたに飽かれると思って、

 私は時々御所で宿直《とのい》をしたりしてみるのが、

 それでまたあなたは不愉快になるのですね」

 

「ほんとうに長く同じであるものは悲しい目を見ます」

とだけ言って向こうを向いて寝てしまった女王を

置いて出て行くことはつらいことに源氏は思いながらも、

もう御訪問の報《しら》せを宮に申し上げたのちであったから、

やむをえず二条の院を出た。

こんな日も自分の上にめぐってくるのを知らずに、

源氏を信頼して暮らしてきたと寂しい気持ちに夫人はなっていた。

 

🌺【源氏物語633 第20帖 朝顔15】言い訳をしながら、朝顔の姫のもとを訪ねる準備をする源氏。「立派な方だけれど、恋愛をおやめにならない点が傷だね。御家庭がそれで済むまいと心配だ」と前駆の者も言う。

〜喪服の鈍《にび》色ではあるが

濃淡の重なりの艶《えん》な源氏の姿が

雪の光《あかり》でよく見えるのを、

寝ながらのぞいていた夫人はこの姿を見ることも

稀《まれ》な日になったらと思うと悲しかった。

前駆も親しい者ばかりを選んであったが、

「参内する以外の外出はおっくうになった。

 桃園の女五《にょご》の宮様は寂しいお一人ぼっちなのだからね、

 式部卿の宮がおいでになった間は私もお任せしてしまっていたが、

 今では私がたよりだとおっしゃるのでね、

 それもごもっともでお気の毒だから」

などと、

前駆を勤める人たちにも言いわけらしく源氏は言っていたが、

「りっぱな方だけれど、恋愛をおやめにならない点が傷だね。

 御家庭がそれで済むまいと心配だ」

とそうした人たちも言っていた。

 

🌺【源氏物語 634 第20帖 朝顔16】お屋敷の門は錆びていて なかなか開かない。物の錆びたことに時の流れを感じる。仮の世の執着が離れず、人に心の惹かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた。

桃園のお邸《やしき》は北側にある普通の人の出入りする門をはいるのは

自重の足りないことに見られると思って、

西の大門から人をやって案内を申し入れた。

こんな天気になったから、

先触れはあっても源氏は出かけて来ないであろうと

宮は思っておいでになったのであるから、

驚いて大門をおあけさせになるのであった。

出て来た門番の侍が寒そうな姿で、

背中がぞっとするというふうをして、

門の扉をかたかたといわせているが、

これ以外の侍はいないらしい。

「ひどく錠が錆《さ》びていてあきません」

 とこぼすのを、源氏は身に沁《し》んで聞いていた。

 宮のお若いころ、

 自身の生まれたころを源氏が考えてみるとそれはもう三十年の昔になる、

 物の錆びたことによって人間の古くなったことも思われる。

 それを知りながら仮の世の執着が離れず、

 人に心の惹かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた。

いつのまに 蓬《よもぎ》がもとと 結ぼほれ

雪ふる里と 荒れし垣根《かきね》ぞ

源氏はこんなことを口ずさんでいた。

やや長くかかって古い門の抵抗がやっと征服された。

 

🌺【源氏物語635 第20帖朝顔17】五の宮様のお居間から退出した源氏。その時に 尼になって女五の宮のお弟子分でお仕えしている源典侍に会う。今でも息災であったことに驚く。

源氏はまず宮のお居間のほうで例のように話していたが、

昔話の取りとめもないようなのが長く続いて

源氏は眠くなるばかりであった。

宮もあくびをあそばして、

「私は宵惑《よいまど》いなものですから、

 お話がもうできないのですよ」

とお言いになったかと思うと、

鼾《いびき》という源氏に馴染《なじみ》の少ない音が聞こえだしてきた。

源氏は内心に喜びながら宮のお居間を辞して出ようとすると、

また一人の老人らしい咳をしながら御簾《みす》ぎわに寄って来る人があった。

「もったいないことですが、

 ご存じのはずと思っておりますものの私の存在を

 とっくにお忘れになっていらっしゃるようでございますから、

 私のほうから、出てまいりました。

 院の陛下がお祖母《ばあ》さんとお言いになりました者でございますよ」

と言うので源氏は思い出した。

典侍《げんてんじ》といわれていた人は尼になって

女五の宮のお弟子《でし》分でお仕えしていると以前聞いたこともあるが、

今まで生きていたとは思いがけないことであるとあきれてしまった。

 

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