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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【🌹10分で聴く源氏物語 第2帖 帚木6〈ははきぎ〉】 ちょっと待て💢なんで方違えに来た家の女性をナンパしとるねん🔥その方、伊予介の奥方よ💢雨夜の品定めの中の品の女性ねらいか😤 by 😾

🌷【源氏物語 24 第2帖 箒木13】

「まじめらしく早く奥様をお持ちになったのですから

お寂しいわけですわね。

でもずいぶん隠れてお通いになる所があるんですって」

こんな言葉にも源氏ははっとした。

自分の作っているあるまじい恋を人が知って、

こうした場合に何とか言われていたら

どうだろうと思ったのである。

でも話はただ事ばかりであったから

皆を聞こうとするほどの興味が起こらなかった。

式部卿《しきぶきょう》の宮の姫君に

朝顔を贈った時の歌などを、だれかが得意そうに語ってもいた。

行儀がなくて、

会話の中に節をつけて歌を入れたがる人たちだ、

中の品がおもしろいといっても

自分には我慢のできぬこともあるだろうと源氏は思った。

 紀伊守が出て来て、

灯籠《とうろう》の数をふやさせたり、

座敷の灯《ひ》を明るくしたりしてから、

主人には遠慮をして菓子だけを献じた。

「わが家はとばり帳《ちょう》をも掛けたればって歌ね、

大君来ませ婿にせんってね、

そこへ気がつかないでは主人の手落ちかもしれない」

「通人でない主人でございまして、どうも」

 紀伊守は縁側でかしこまっていた。

源氏は縁に近い寝床で、仮臥《かりね》のように横になっていた。

随行者たちももう寝たようである。

紀伊守は愛らしい子供を幾人も持っていた。

御所の侍童を勤めて源氏の知った顔もある。

縁側などを往来《ゆきき》する中には伊予守の子もあった。

 

何人かの中に特別に上品な十二、三の子もある。

どれが子で、どれが弟かなどと源氏は尋ねていた。

「ただ今通りました子は、

亡《な》くなりました衛門督《えもんのかみ》の

末の息子《むすこ》で、かわいがられていたのですが、

小さいうちに父親に別れまして、

姉の縁でこうして私の家にいるのでございます。

将来のためにもなりますから、

御所の侍童《さむらいわらわ》を勤めさせたいようですが、

それも姉の手だけでははかばかしく運ばないのでございましょう」

紀伊守が説明した。

「あの子の姉さんが君の継母なんだね」

「そうでございます」

 

「似つかわしくないお母さんを持ったものだね。

その人のことは陛下もお聞きになっていらっしって、

宮仕えに出したいと衛門督が申していたが、

その娘はどうなったのだろうって、

いつかお言葉があった。

人生はだれがどうなるかわからないものだね」

 老成者らしい口ぶりである。

「不意にそうなったのでございます。

まあ人というものは昔も今も

意外なふうにも変わってゆくものですが、

その中でも女の運命ほどはかないものはございません」

などと紀伊守は言っていた。

「伊予介は大事にするだろう。主君のように思うだろうな」

「さあ。まあ私生活の主君でございますかな。

好色すぎると私はじめ兄弟はにがにがしがっております」

「だって君などのような当世男に伊予介は譲ってくれないだろう。

あれはなかなか年は寄っても

りっぱな風采《ふうさい》を持っているのだからね」

 などと話しながら、

「その人どちらにいるの」

「皆|下屋《しもや》のほうへやってしまったのですが、

間にあいませんで一部分だけは残っているかもしれません」

 と紀伊守は言った。

 

🌷【源氏物語 25 第2帖 箒木14】

深く酔った家従たちは、

皆夏の夜を 板敷で仮寝してしまったのであるが、源氏は眠れない、

一人臥《ね》をしていると思うと目がさめがちであった。

この室の北側の襖子《からかみ》の向こうに

人のいるらしい音のする所は

紀伊守の話した女のそっとしている室であろうと源氏は思った。

かわいそうな女だとその時から思っていたのであったから、

静かに起きて行って襖子越しに物声を聞き出そうとした。

その弟の声で、

「ちょいと、どこにいらっしゃるの」

と言う。

少し涸《か》れたきれいな声である。

「私はここで寝《やす》んでいるの。

 お客様はお寝みになったの。

 ここと近くてどんなに困るかと思っていたけれど、まあ安心した」

と、寝床から言う声もよく似ているので姉弟であることがわかった。

「廂《ひさし》の室でお寝みになりましたよ。

 評判のお顔を見ましたよ。

 ほんとうにお美しい方だった」

一段声を低くして言っている。

「昼だったら私ものぞくのだけれど」

睡《ね》むそうに言って、

その顔は蒲団《ふとん》の中へ引き入れたらしい。

もう少し熱心に聞けばよいのにと源氏は物足りない。

「私は縁の近くのほうへ行って寝ます。暗いなあ」

子供は燈心を掻《か》き立てたりするものらしかった。

女は襖子の所からすぐ斜《すじか》いにあたる辺で寝ているらしい。

「中将はどこへ行ったの。

 今夜は人がそばにいてくれないと何だか心細い気がする」

 低い下の室のほうから、女房が、

「あの人ちょうどお湯にはいりに参りまして、すぐ参ると申しました」

 と言っていた。

源氏はその女房たちも皆寝静まったころに、

掛鉄《かけがね》をはずして引いてみると襖子はさっとあいた。

向こう側には掛鉄がなかったわけである。

そのきわに几帳《きちょう》が立ててあった。

ほのかな灯《ひ》の明りで 

衣服箱などがごたごたと置かれてあるのが見える。

源氏はその中を分けるようにして歩いて行った。

小さな形で女が一人寝ていた。

やましく思いながら顔を掩《おお》うた着物を

源氏が手で引きのけるまで女は、

さっき呼んだ女房の中将が来たのだと思っていた。

「あなたが中将を呼んでいらっしゃったから、

 私の思いが通じたのだと思って」

と源氏の宰相中将《さいしょうのちゅうじょう》は言いかけたが、

女は恐ろしがって、

夢に襲われているようなふうである。

「や」と言うつもりがあるが、

顔に夜着がさわって声にはならなかった。

「出来心のようにあなたは思うでしょう。

 もっともだけれど、私はそうじゃないのですよ。

 ずっと前からあなたを思っていたのです。

 それを聞いていただきたいのでこんな機会を待っていたのです。

 だからすべて皆|前生《ぜんしょう》の縁が導くのだと思ってください」

柔らかい調子である。

神様だってこの人には寛大であらねばならぬだろうと

思われる美しさで近づいているのであるから、

露骨に、

「知らぬ人がこんな所へ」

ともののしることができない。

しかも女は情けなくてならないのである。

「人まちがえでいらっしゃるのでしょう」

 やっと、息よりも低い声で言った。

当惑しきった様子が柔らかい感じであり、

可憐《かれん》でもあった。

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