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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【10分で聴く源氏物語 第14帖 澪標11】片時離れることもない十幾年の御生活であった母君(六条御息所)、死の道だけはただ一人でおいでになったとお思いになることが、斎宮の尽きぬお悲しみだった by🐱

🪷【源氏物語490 第14帖 澪標64】宮は非常に内気で 羞恥心がお強くて 異性に声を聞かせることは 思いもよらぬようにお考えであった。

〜「失礼ですが、お母様の代わりと思ってくだすって、

 御遠慮のないおつきあいをくだすったら、

 私の真心がわかっていただけたという気がするでしょう」

などと言うのであるが、

宮は非常に内気で羞恥《しゅうち》心がお強くて、

異性にほのかな声でも聞かせることは

思いもよらぬことのようにお考えになるのであったから、

女房たちも勧めかねて、宮のおとなしさを苦労にしていた。

女別当《にょべっとう》、内侍《ないし》、

そのほか御親戚関係の王家の娘などもお付きしているのである。

 

🪷【源氏物語491 第14帖 澪標65】他の恋人たちの中に混じって劣る方でもないらしい宮のお顔を見たいと思う源氏。前斎宮の入内の希望は人には言わないほうがいいと思った。

〜自分の心に潜在している望みが実現されることがあっても、

他の恋人たちの中に

混じって劣る人ではないらしいこの人の顔を見たいものであると、

こんなことも思っている源氏であったから、

養父として打ちとけない人が聡明《そうめい》であったのであろう。

自身の心もまだどうなるかしれないのであるから、

斎宮を入内《じゅだい》させる希望などは

人に言っておかぬほうがよいと源氏は思っていた。

故人の仏事などにとりわけ力を入れてくれる源氏に

六条邸の人々は感謝していた。

 

🪷【源氏物語 492 第14帖 澪標66】六条邸は日がたつにしたがって寂しくなり、心細さがふえてくる上に、御息所の女房なども次第に下がって行く者が多くなった。

〜六条邸は日がたつにしたがって寂しくなり、

心細さがふえてくる上に、

御息所《みやすどころ》の女房なども

次第に下がって行く者が多くなって、

京もずっと下《しも》の六条で、

東に寄った京極通りに近いのであるから、

郊外ほどの寂しさがあって、

山寺の夕べの鐘の音にも斎宮の御涙は誘われがちであった。

 

🪷【源氏物語493 第14帖 澪標67】片時離れることもない十幾年の御生活であった母君が、死の道だけはただ一人でおいでになったとお思いになることが、斎宮の尽きぬお悲しみであった。

〜同じく母といっても、宮と御息所は親一人子一人で、

片時離れることもない十幾年の御生活であった。

斎宮が母君とごいっしょに行かれることは

あまり例のないことであったが、

しいてごいっしょにお誘いになったほどの母君が、

死の道だけはただ一人でおいでになったとお思いになることが、

斎宮の尽きぬお悲しみであった。

 

🪷【源氏物語494 第14帖 澪標68】斎宮に求婚する男は多かったが、源氏が乳母達に親らしい注意をあたえていた。

〜女房たちを仲介にして求婚をする男は各階級に多かったが、

源氏は乳母《めのと》たちに、

「自分勝手なことをして問題を起こすようなことを宮様にしてはならない」

と親らしい注意を与えていたので、

源氏を不快がらせるようなことは慎まねばならぬと

おのおの思いもし諫《いさ》め合いもしているのである。

それで情実のためにどう計らおうというようなことも皆はしなかった。

 

🪷【源氏物語495 第14帖 澪標69】朱雀院は、斎宮としてお下りになる日の大極殿の儀式以来、恋しく思われて 院の後宮へお入りなること望まれた。

〜院は宮が斎宮としてお下りになる日の

荘厳だった大極殿《だいごくでん》の儀式に、

この世の人とも思われぬ美貌を御覧になった時から、

恋しく思召されたのであって、

帰京後に、

「院の御所へ来て、私の妹の宮などと同じようにして暮らしては」

と宮のことを、

故人の御息所へお申し込みになったこともあるのである。

 

御息所のほうでは院に寵姫《ちょうき》が幾人も侍している中へ、

後援者らしい者もなくて行くことはみじめであるし、

院が始終御病身であることも、

母の自分と同じ未亡人の悲しみをさせる結果になるかもしれぬと

院参を躊躇《ちゅうちょ》したものであったが、

今になってはましてだれが 宮のお世話をして

院の後宮へなどおはいりになることができようと

女房たちは思っているのである。

院のほうでは御熱心に今なおその仰せがある。

 

🪷【源氏物語496 第14帖 澪標70】源氏は、朱雀院に申し訳ないと思いつつも、宮中にお入れする事を入道の宮(藤壺)に申しあげた。

〜源氏はこの話を聞いて、

院が望んでおいでになる方を横取りのようにして

宮中へお入れすることは済まないと思ったが、

宮の御様子がいかにも美しく可憐《かれん》で、

これを全然ほかの所へ渡してしまうことが残念な気になって、

入道の宮へ申し上げた。

こんな隠れた事実があって決断ができないということをお話しした。

 

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