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いにしえの都の高貴なネコ様のつぶやき🌸

我は、いにしえの都の高貴なネコ様🐱マロン🍀 下僕1号👩 下僕2号👨‍💼と ゆるりと暮らしておる。そんな我のつぶやきである🐱💖 

【10分で聴く源氏物語 第8帖 花宴2〈はなのえん〉】春の宴 朧月夜の女君との出会い。二人は扇を交換する。この一夜は源氏の運命を大きく変えていく by🐱

🌸【源氏物語121 第八帖 花宴5】春の宴 朧月夜の女君との出会い。

〜二人は扇を交換する。この一夜は源氏の運命を大きく変えていく

「ぜひ言ってください、だれであるかをね。

 どんなふうにして手紙を上げたらいいのか、

 これきりとはあなただって思わないでしょう」

などと源氏が言うと、

「うき身世に やがて消えなば 尋ねても

 草の原をば 訪はじとや思ふ」

という様子にきわめて艶《えん》な所があった。

 

「そう、私の言ったことはあなたのだれであるかを

 捜す努力を惜しんでいるように聞こえましたね」

と言って、また、

「何《いづ》れぞと 露のやどりを わかむ間に

 小笹《こざさ》が原に 風もこそ吹け」

 私との関係を迷惑にお思いにならないのだったら、

 お隠しになる必要はないじゃありませんか。

 わざとわからなくするのですか」

と言い切らぬうちに、

もう女房たちが起き出して女御を迎えに行く者、

あちらから下がって来る者などが廊下を通るので、

落ち着いていられずに扇だけをあとのしるしに取り替えて

源氏はその室を出てしまった。  

 

源氏の桐壺《きりつぼ》には女房がおおぜいいたから、

主人が暁に帰った音に目をさました女もあるが、

忍び歩きに好意を持たないで、

「いつもいつも、まあよくも続くものですね」

という意味を仲間で肱《ひじ》や手を突き合うことで言って、

寝入ったふうを装うていた。

寝室にはいったが眠れない源氏であった。

 

美しい感じの人だった。

女御の妹たちであろうが、

処女であったから五の君か六の君に違いない

 

🌸【源氏物語122 第八帖 花宴6】春の宴であった有明の女君が誰か気になる源氏。

〜良清や惟光に退出する車を見張らせる

太宰帥《だざいのそつ》親王の夫人や

頭中将が愛しない四の君などは美人だと聞いたが、

かえってそれであったらおもしろい恋を

経験することになるのだろうが、

六の君は東宮後宮へ入れるはずだとか聞いていた、

その人であったら気の毒なことになったというべきである。

幾人もある右大臣の娘のどの人であるかを

知ることは 困難なことであろう。

 

もう逢うまいとは思わぬ様子であった人が、

なぜ手紙を往復させる方法について

何ごとも教えなかったのであろうなどとしきりに考えられるのも

心が惹かれているといわねばならない。

 

思いがけぬことの行なわれたについても、

藤壺にはいつもああした隙《すき》がないと、

昨夜の弘徽殿《こきでん》のつけこみやすかったことと比較して

主人《あるじ》の女御に

いくぶんの軽蔑の念が 起こらないでもなかった。

 

この日は後宴《ごえん》であった。

終日そのことに携わっていて

源氏はからだの閑暇《ひま》がなかった。

十三|絃《げん》の箏《そう》の琴の役を

この日は勤めたのである。

昨日の宴よりも長閑《のどか》な気分に満ちていた。

 

中宮は夜明けの時刻に南殿へおいでになったのである。

弘徽殿の有明《ありあけ》の月に別れた人は

もう御所を出て行ったであろうかなどと、

源氏の心はそのほうへ飛んで行っていた。

 

気のきいた良清《よしきよ》や惟光《これみつ》に命じて

見張らせておいたが、

源氏が宿直所《とのいどころ》のほうへ帰ると、

「ただ今 北の御門のほうに早くから来ていました車が

皆人を乗せて出てまいるところでございますが、

女御さん方の実家の人たちがそれぞれ行きます中に、

四位少将、右中弁などが御前から下がって来てついて行きますのが

弘徽殿の実家の方々だと見受けました。

ただ女房たちだけの乗ったのでないことはよく知れていまして、

そんな車が三台ございました」

と報告をした。

 

🌸【源氏物語123 第八帖 花宴7】

〜取り替えてきた扇は桜色の薄様で霞んだ月が描いてあった。若紫はしばらく見ないうちに美しく成長している。

源氏は胸のとどろくのを覚えた。

どんな方法によって

何女《なにじょ》であるかを知ればよいか、

父の右大臣にその関係を知られて

婿としてたいそうに待遇されるようなことになって、

それでいいことかどうか。

その人の性格も何もまだよく知らないのであるから、

結婚をしてしまうのは危険である、

そうかといってこのまま関係が進展しないことにも堪えられない、

どうすればいいのかとつくづく物思いをしながら源氏は寝ていた。

姫君がどんなに寂しいことだろう、

幾日も帰らないのであるからと

かわいく二条の院の人を思いやってもいた。

 

取り替えてきた扇は、

桜色の薄様を三重に張ったもので、

地の濃い所に霞《かす》んだ月が描いてあって、

下の流れにもその影が映してある。

珍しくはないが貴女《きじょ》の手に

使い馴らされた跡がなんとなく残っていた。

「草の原をば と言った時の美しい様子が目から去らない源氏は、

世に知らぬ ここちこそすれ 有明

月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて

と扇に書いておいた。

 

翌朝 源氏は、左大臣家へ久しく行かないことも思われながら、

二条の院の少女が気がかりで、

寄ってなだめておいてから行こうとして自邸のほうへ帰った。

二、三日ぶりに見た最初の瞬間にも

若紫の美しくなったことが感ぜられた。

 

愛嬌《あいきょう》があって、

そしてまた凡人から見いだしがたい貴女らしさを多く備えていた。

理想どおりに育て上げようとする源氏の好みにあっていくようである。

教育にあたるのが男であるから、

いくぶんおとなしさが少なくなりはせぬかと思われて、

その点だけを源氏は危《あやぶ》んだ。

 

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